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[追記あり]おそらく国内最速レビュー Presonus Quantum 2626(と GIGABYTE TITAN-RIDGE)買ってみた

またまた間が空いてしまいました。特にレビューできるようなものを買っていなかったのですが。。。
なんとなく、気分でPresonusのThunderbolt オーディオインターフェイス Quantum 2626を自宅に導入したのでレビューがてら記事を書いてみようと思います。検索しても日本語のレビュー記事やレビュー動画がなかったので、おそらくこの記事が日本最速のレビュー記事だと思われます。
DSPプロセッシングがついているものにしようとも思ったのですが、DSPプロセッシングがついていても結局DAW上で行われるエフェクト処理の負荷が減るわけではないので、ネイティブモニタリングに特化した機材を購入してみました。

Quantum 2626は2020年 4月下旬に発売されたPresonusの最新機種(執筆次点)でフラッグシップ系Quantumシリーズの最下位モデル、いわば「上の下」、みたいな位置づけです。名前の通り26 Input 26 Out(うちアナログInは8ch)となっています。
2020/7/31までイントロプライスセールをやっていて、7万円弱です。5000円くらいお安く入手できるようです。現時点でAmazonやサウンドハウスなどには在庫(そもそも出品)がないためイシバシ楽器や日本の代理店であるMi7などから入手することになると思います。

Quantum 2626の詳細

Presonus社のインターフェイスにはStudio Suiteバンドルが付属しており、Quantumシリーズにも、もちろん搭載されています。外箱のシールを見る限りなかなか豪華なバンドルのようです。

個人的にバンドルのLexicon製品は480Lモデリングを期待しましたが、プリセット系のプラグインリバーブでした。

付属品は日本語のマニュアルと、代理店からの電源アダプターに関する注意書き、保証書類とゴム脚、電源アダプターです。

日本語マニュアルは、既に出ているQuantumシリーズの他2機種と共通でした。かなりの厚さがあります。

電源アダプターは注意書きにもあるとおり、抜け防止の回転ロック機構が搭載されています。写真では見えにくいですが根元に突起があります、
電源コンセント側は音響機器でよくある3PINではなく一般的なコンセントタイプでアダプターの差し込み側もメガネタイプです。


本体は一般的なラックサイズ、1Uです。ラック耳は本体のフロントパネルと一体になっていて取り外しできません。

前面パネルはXLR/TRSのコンボジャックが8つ、左側 2つはMic/Instレベル入力対応でギターなどを直接つなぐことが可能。ハイインピーダンスの機材を接続した場合は自動的にマイクプリはバイパスされるそうです。(英語版取説より)
残り6つは Mic/Lineレベル入力となっています。すべてLineレベルの場合はどこにつないでも同じかとは思いますが、Inst入力を利用する場合は接続端子を考えながら使うかDIを利用する必要がありそうです。

ファントム電源は1-4chと4-8chで独立しているため、コンデンサーマイクを運用する際に切り分けも可能です。1ch毎の切り替えでない点は、人によっては残念ポイントかも知れません。ヘッドフォン出力が2系統で音量独立型です。僕はモニターコントローラを利用しているのでこの端子の利用頻度は低いです。

背面には、電源端子とスイッチ、ケンジントンロック孔 Thunderbolt端子





ワードクロックの入出力用75Ω入出力端子・貼ってあるシールはオプティカル端子保護抜け防止です。


 SPDIF入出力同軸端子とMIDI用入出力端子。SPDIFの端子色的にはRCA端子にも見えますが、部品流用でしょうか。

アナログアウトは8ch TRS バランスです。1番右側の端子2つがアナログボード(外部エフェクタ)用のセンド、その左側2つがそれのリターン用入力です。もし、このインターフェイスのマイクプリを使いたくない場合などはLine Returnと書かれた端子へ接続することでQuantumのマイクプリを回避可能です。


8つのLineOutの左側にはMainOut端子があります。通常の出力はこちらにつなぐことになると思います。ASIOドライバーやCoreAudio/WDMの出力先も基本はMain Outになります。
オプティカル端子は入出力それぞれ2系統ずつ用意されています。デジタル信号なのでサンプリングレートによって扱えるチャネル数が変化します。


Thunderboltカードの導入

QuantumシリーズはDSPを搭載せず、PCとの接続にはThunderboltを利用します。
Quantum2626とPCの接続はThunderbolt 3を利用しますが、Thunderbolt1/2に互換性があるようなので、40Gbpsレベルの高速通信は必要としていないようです。

Windowsに取り付けられるカードの選択肢としては、現状Thunderbolt 3が圧倒的に多いのでThunderbolt 3で接続します。自宅のPCにはThunderboltのカードがついていないので、GIGABYTE製のTITAN-RIDGEも同時に購入しました。

PCのマザーボードはASRock Z370 Pro4なのですが、ASRockのThunderbolt 3カードの在庫がなかったため、動作報告の上がっていてチップが新しいTITAN-RIDGEをチョイスしました。若干人柱ではあります。ついでに必要な2mのThunderboltケーブルも購入 。

因みにTITAN-RIDGEはUSB PDで100W出力に対応しています。(利用する場合には電源用4PIN端子を2つ使用します。グラボを搭載している人は要注意)

TITAN-RIDGEを開封し付属品を確認します。


本体とDP系のケーブル、Thunderbolt接続用 5Pinケーブル、USB単子接続用のケーブル 取説とドライバDVDです。
DPケーブルはUSB Type Cで映像出力を利用する場合にのみ使うものなので今回は箱に戻しました。
まずは本体と必要なケーブル類を開封し配線します。
画像の左側がUSB用ケーブル、右側がThunderbolt用のケーブルです。
まずはThunderbolt用のケーブルと本体を配線。
次にUSB用のケーブルを配線します。
PC電源の4Pinケーブルを配線します。
マザーボードのPCIEスロットへ取り付け。
最後にマザーボードのThunderboltピンヘッダとUSBピンヘッダをそれぞれ接続します。
マザーボードのThunderboltヘッダはこんな形。ASRockのZ370 Pro4はTB1と書かれた端子が何故か潰されており、TB2のみ利用可能です。
接続が完了したらPCを起動します。
BIOSの設定を確認し、Thunderbolt接続を有効にします。僕は以前無効にしていたので有効にします。
起動後、GIGABYTEのページよりドライバをダウンロードしインストールしました。このインストーラがなかなかに不自然で、何一つ教えてくれません。インストーラが終了したらおそらくインストール完了なので一旦再起動を行います。
再起動をしてしばらくすると、Thunderboltコントロールセンターがインストールされ、通知が出現します。
一応動作しているらしいので、メーカーが異なるカードでも利用できるようです。

Quantum 2626を接続

ようやく、Quantum2626つなぐ準備が整いました。まず、Presonusの公式サイトからUniversal Controlをダウンロードし、インストールします。説明書もサイトの説明も、そしてソフトの名称も総じてわかりにくいのですが、このソフトがドライバーです。名称的にはControlソフトっぽいのですがそれだけではなくドライバーも兼ねている形です。
インストールするドライバーを選択します。Quantum Thunderbolt Driverにチェックを入れてインストール。
ここまで完了したら、Quantum 2626に電源・Thunderboltケーブルをそれぞれ接続し電源を入れます。
するとThunderboltコントロールセンターが起動します。デバイスを承認する必要があるので、「常に接続」を選択しOKをクリック。

さて、この段階でQuantum 2626のThunderboltランプが青色に点滅し始めます。
この状態ではThunderboltデバイスとして認識されているものの、オーディオデバイスとしては認識されていないです。Universal Controlソフト側にも認識されていないため、代理店であるMi7のページに載っていた「電源とThunderboltケーブルを切断し10秒待って再接続」を試しました。
ところが、再接続後も状況変わらず。。。PC再起動も試しましたが状況変わらず。

ババを引いたかと思い、諦めモードでご飯を食べていた際、PCがスリープになりました。
食事から戻りスリープ復帰したところ、Quantum 2626のThunderboltランプが青の点灯に。。。なぜかスリープ復帰を経由しないとデバイスが認識されません。結局この問題の原因は今のところわからずじまいです。分かり次第追記します。心当たりの方がおられましたらコメントまでお願いします。
(2020/6/17追記)ASRockのThunderbolt 3カードに換装しました。

ASRock Thunderbolt 3 AIC R2.0に換装したところ、スリープせずとも認識しました。ただし、Thunderboltピンヘッダーのすぐ上にあるスロットのみでしかカードが動かないようです。このあたりの挙動はいまいちつかめません。

さて、認識されるとUniversal Control画面でファームウェアアップデートが要求されるので実施。
再起動要求が出るのでQuantum 2626の電源を切り再接続。(ここでも認識に失敗するので一旦スリープ&復帰)
Universal Controlにデバイスが表示されるので選択します。
サンプリングレートの変更が必要な場合はこちらの画面で設定。
クロックソースもこの画面で選択できます。外部機器からクロックを取得する場合はこちらで選択します。
ブロックサイズは64~2048の間で選択可能。僕の環境(CPU: Core i5-9600K RAM 16GB)ではサンプリングレート96KHzの場合、ブロックサイズ 256が適当でした。
レイテンシーを測定しようと思ったのですが、よく測定に使われる 「asio latency test utility download」というソフトがどうやら既に公開されていないようで、測定結果を出すことができませんでした。

一応ギターをQuantum 2626に接続しStudio OneでIK MultimediaのAmplitube 4を動かしてみましたが、それまで使用していたTASCAMのUS-2x2よりも遅延がなく弾きやすい感じがしました。

ただ、数値で結果を見れていない以上、なんとも言えないとは思っています。。。良い計測用ソフトをご存じの方がいらっしゃれば是非コメントをお願いします。ただ、プリアンプの性能だと思いますが、明らかにノイズの量が少なくなりました。グレードアップとしては良い選択だと思います。

この手のインターフェイスはASIOドライバーの利用中にWindows側の音声が出力できないことが多いと思うのですが、この製品はASIO利用中にもこのインターフェイスからWDM音声出力を利用することができます。今まで複数台DACを利用してこの問題を回避してきたので、これはかなりありがたい機能だと感じました。→(2020/6/17追記)排他利用の制限のせいかChromeとSpotifyで音声を同時出力するとSpotifyのみから音が出てChromeからの出音がされないなどの問題があります。
WDM側からもMain Out以外のADAT出力などを選択できます。Main OutからASIO出力・ADATからWindowsのオーディオアウト、という使い方もできそうです。

Universal Controlでは各入出力のレベルやRTA(リアルタイムアナライザ)を確認することができます。



メータ類はVUやRMSも設定が可能である点を考えると、おそらくそこそこのPCをつないで簡易ミキサーなどの用途も想定されている感じだとは思います。そのあたりは実際に運用してみて、レイテンシーが許せば、という感じでしょう。あとは冗長化が問題になるかと思います。


音質
音の良し悪しというのはあくまで主観的な評価だと思うので、2in2outで1万円代のインターフェイスから乗り換えた感想として書くことにします。
Quantumと今までの機材を同じ程度の音量にしたときに、Quantumでは余裕を感じます。音に圧迫感がないです。ただ押し出しの強い音、という意味で1万円のインターフェイスが好きな人がいてもおかしくないかな、と思いました、

気になる点
・発熱
発熱量がかなり多いです。特にThunderboltで通信している間はかなり発熱します。ラックで運用する場合は排熱を気にする必要がありそうです。
・CPU使用率(2020/6/17追記)
おそらくThunderboltを利用しているためだと思いますが、CPUの使用率がQuantum 2626使用時に100%へ張り付きます。PCの動作に影響を及ぼすことはないですが、気持ちはよくないです、
WDMの場合は使用しているソフトが張り付くようです。


====
CPU使用率問題ですがWindows10 2004にアップデートしたところ問題が解消しました。
(Windows10 2004+Universal Control 3.2.1.57677で確認)
OSアップデート後、かなり快適に動作している印象です。 (2020/7/5 追記)
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以上、かなり長文になってしまいましたが、おそらく日本で最速であろう、Presonus Quantum 2626のレビュー記事でした。ご覧頂きありがとうございました。

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